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2022.02.28
保険

施工主を守る住宅完成保証制度とは?内容を徹底解説!

注文住宅建築時に知っておきたい住宅完成保証制度の内容や利用方法などまとめ

目次

 

「注文住宅は自分の理想の住宅が建てられる」

 

注文住宅はマイホームを購入したい人の憧れ。
そんな夢がある注文住宅ですが、着手金を払い着工時に依頼した建築業者が倒産するなどのリスクはゼロではないのです。

 

建築業者が倒産すると工事が止まるだけではなく、着手金が戻ってこない可能性もあります。
そうしたリスクを避けるために「住宅完成保証制度」を使うことが友好的なのです。

 

そこで今回は、住宅完成保証制度の概要や保証内容、住宅完成保証制度の利用方法などを解説します。

注文住宅建築時に施工主を守る住宅完成保証制度の概要や保証内容など

住宅完成保証制度とは?

住宅完成保証制度とは、注文住宅建設中に建築会社の倒産などで工事が継続できなくなった時に、最低限の追加予算を払って住宅の完成を保証してくれる制度。

 

この制度により理想のマイホームが完成しますが、建築会社が破産し事業停止状態になった時にはこの制度が使えずに以下のような事態が発生します。

 

建築会社が倒産してしまうと、すでに支払った着手金などのお金は返ってきません。
それまでに発生した工事費用より、支払ったお金のほうが多くても同様です

 

仮に500万円の着手金を支払っていた場合で、工事費用が200万円でも差額の300万円は返金されないのです。
支払ったお金が500万円で工事費用が1000万円の場合では、破産管財人から差額にあたる500万円を請求されることもあります。

 

「工事が途中まで進んでいるなら別の施工会社に引き継げばいいのでは?」と考える方もいますが、工事を引き継いでくれる会社はなかなか見つかりません。
建築会社にとって別会社の仕事の引き継ぎは予想以上に大変だからです。

 

工事の仕方は会社ごとに違いますし、状況把握だけでも多くの労力が必要です。
そのため、どの建築会社もあまり引き受けたくないのが実情。

住宅完成保証制度を活用すれば、このような損害でも前もって決められた一定額が保証されるのです。

注文住宅建設時に強い味方の住宅完成保証制度は保証会社によって内容や仕組みが異なる

保証会社によって保証内容や仕組みが違う

住宅完成保証制度は保証会社によって保証内容や仕組みは違います。

 

大きく分けて「保険タイプ」「エスクロータイプ」の2種類があるので、以下で解説していきます。

保険タイプ

保険タイプは、建設会社の倒産で生じた損失分に対して一定の金額が保証されます。

 

工事の請負金額3000万円の注文住宅・1000万円分まで工事が進んでいたと仮定します。
その時点で建設会社が倒産すると他の建築会社に工事を引き継いでもらう必要がありますが、引き継ぐ場合は追加費用が必要で、追加費用は差額の2000万円では収まりません。

 

その追加費用分を補填するのが保険タイプです。
引き継ぎ工事に2400万円必要の場合では、追加分の400万円を保証してくれます。
ただ、「補填額は工事請負額の2割まで」など上限が設けられていることが一般的です。

エスクロータイプ

エスクロータイプは保証会社が前もって建築費用を預かり、建築会社が倒産した場合でも損失が最小限に抑えられるよう手配することです。

 

元々住宅などの建設工事は建設会社が工事費用を受け取って、協力会社や職人に対しては工事終了後に報酬を支払う形です。
エスクロータイプでは保証会社が進捗状況に応じて直接報酬を支払うため、万が一建設会社が倒産しても工事が継続できるのです。

 

併せて、代わりの建築会社も保証会社を早く指名できるので、損失被害が最小限に抑えられます。

注文住宅建築時に施工主を守る住宅完成保証制度の概要や保証内容などまとめ

保証制度の利用方法

最後に、住宅完成保証制度の利用方法を解説します。

 

住宅保証制度を利用するためには、建築を依頼する建築会社に「住宅保証制度を使いたい」と伝える必要があります。
ただ住宅完成保証制度は義務化されていないので、未加入の建設会社も多いのです。

 

未加入の理由としては、加入審査や参加金の委託などの手間が発生することが主に挙げられます。
住宅完成保証制度の加入有無の確認は、直接建築工事を依頼する建築会社に問い合わせる方法が最も確実です。

 

「下調べの段階なのでサッと確認したい」場合は、それぞれの保証会社のホームページで検索する方法もあります。

まとめ

今回は、住宅完成保証制度の保証内容や利用方法などを解説しました。

 

注文住宅は契約から入居まで長い期間が必要です。建築途中での建築会社の倒産もゼロではありません。

 

今回解説した住宅完成保証制度は、上手に活用すれば万が一のトラブルでも柔軟に対応できます。