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2021.10.31
注文住宅 資金計画

注文住宅の費用を抑えるために必要なコストダウンの方法

注文住宅の費用を抑えるために必要なコストダウンの方法は予算を立て費用総額を知る

目次

新築一戸建てに住むという夢と目標が実現しそうになったときに、同じ新築一戸建てでも、建売住宅と注文住宅では、その満足度に大きな差が出ます。
選んだ土地を買い、間取りや広さを自分で決めて建築する注文住宅ですが、満足度が高い分、費用も高くなります。

設計の段階から、すべて建築士任せにするのではなく、間取りや外観に工夫をいくつも重ねることで、注文住宅にかかる費用をコストダウンすることが可能です。
どのような点に気を付けて、注文住宅の設計から建築までの流れの中でコストを下げるか、それぞれのケースで紹介します。

予算を立てて費用総額を知る

注文住宅を建てると決意したら、まず、

  • 住宅展示場に向かう
  • ハウスメーカーや工務店に見積もり依頼
  • 土地探し

以上、いずれかの行動を起こしがちですが、やるべきことは予算を立てて費用総額を知ることです。
ハウスメーカーや工務店、あるいは建築士が算出した見積もりが予算の目安、あるいは費用総額とは言えません。

そもそも注文住宅はオーダーメイドですから、土地の価格と住宅プランがはっきりしなければ、見積もりすら出来ないわけです。

見積もり依頼はどこへ?

初めて家を建てる、それが注文住宅となる場合、ハウスメーカーや工務店あるいは設計事務所のうち、最適な見積もり依頼先すら悩むはずです。

  • ハウスメーカー:住宅と土地を一緒に任せられる
  • 工務店:住宅は請け負えるが土地は別のケースが多い
  • 設計事務所:住宅デザインと監理がメインで業者手配などは別

このように注文住宅を扱う業者でも、守備範囲が変わります。

よくあるケースは、土地売買を仲介してくれた不動産業者を通じて紹介された工務店に住宅建築の依頼をしてしまうことです。
悪くはありませんが、もっと時間をかけて依頼先を決定していれば、しっかりコストダウンできたはずだったというケースも無いわけではありません。

ゆえに、家づくりの総費用を知ること、予算を立てることが大事です。

どこの費用を削減するかは、その後の過程になります。

注文住宅のコストダウンの方法は予算を立て総額を知ること、初期費用は削減しにくい

初期費用は削減しにくい

注文住宅における費用としては、大きく分けると、

  1. 土地の購入代金
  2. 建物の建築費用
  3. 住宅ローン関連
  4. 上記に関連する諸費用

の4種類から構成されます。

上記4つの中で、現金で支払う必要があるものが初期費用に該当します。
言い換えれば、引き渡し前に支払うべき費用と考えると良いでしょう。

いわゆる初期費用はコストダウンしにくい項目ですので、参考までに列記しておきます。

土地購入時

  • 手付金
  • 印紙税
  • 登記費用
  • 司法書士報酬
  • 不動産取得税
  • 仲介手数料
  • 地盤改良費用

住宅建築時

  • 設計監理料
  • 印紙税
  • 建築確認の申請費用
  • 水道加入料(自治体による)
  • 土地家屋調査士への報酬(建物表示登記の分)
  • 司法書士への報酬(所有権保存登記の分)
  • 地鎮祭
  • 上棟式

住宅ローン(つなぎ融資)契約時

  • 印紙税(金銭消費貸借契約書)
  • ローン保証料
  • 団信(団体信用生命保険料)
  • 火災保険料
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • ローン事務手数料

その他諸費用

  • 引っ越し費用
  • 仮住まい費用
  • 家具・家電購入

注文住宅のコストダウン費用増大を抑えるポイントは土地選びや外観延べ床面積水回りグレード費用増大を

費用増大を抑えるポイント

費用削減に努めることは悪いことではありません。
予算内で満足度の高い注文住宅を手に入れることが最大の目的ですが、情報収集が足りない、目先の利益を追求といったことで、余計な費用負担を発生させることは避けたいものです。

土地と間取りにおいては、特に注意すれば費用負担が避けられるケースがあるため、そのポイントをお伝えします。

追加工事不要の土地を選ぶ

ベストな土地選びとは、できるだけ追加工事がかからないことです。

しかし、土地を購入して住宅建築前には地盤調査が行われますが、地盤改良が必要と判断されるケースがあります。
地盤調査は土地購入前には実行できないので、前述したように初期費用として予算に組み込んでおく方が良いです。

結果として地盤改良の必要がないならば、ラッキーだったと考えましょう。

上下水道やガスの引き込み、電気の使用に差支えが無いかは、不動産業者が状況を把握しているので事前にチェックできます。
安い土地を買ったにも関わらず追加工事が発生すると、予算が厳しい状況においては非常に痛手となります。

シンプルな形状の外観にする

マイホームの外観は、実はシンプルな形状、具体的には正方形が最も費用負担が少なくなります。
壁と屋根の面積を必要以上に増やさない、つまり凸凹を極力なくすことがポイントです。

外壁や屋根工事は、面積、工数、塗料の種類、材質などで決まります。
複雑な形状になれば工数が増えますし、足場の組み立ても工事にも影響します。

また窓が多ければ、その分、工事の手間暇が費用に跳ね返るので、外観はできるだけシンプルな形状にしたいところです。

延床面積を広げ過ぎない

延床面積とは、家の1階から上階までの床面積を合計したものです。

住宅建築においては、延床面積が狭ければ建築費用は安くなるという考え方になっています。
2階建てでは階段は必須ですが、廊下、部屋、収納などは延床面積に含まれ、広げ過ぎると建築費用は高くなります。

ゆえに廊下を短くする、6畳2間を8畳1間にしてパーティーションで区切って収納も兼用といった工夫を間取りに盛り込めば、延床面積は縮小され、その分、建築費用も抑えられるということです。

さらに、ロフトは延床面積として計算されないため、部屋と収納を兼ねたスペースとすれば、延床面積を増やすことなく快適な室内を実現します。

延床面積を計算しながら、部屋のプランを考えるのは、建築士やプランナーの腕の見せ所とも言えます。

水廻りの配置やグレード

水廻りを広い範囲に分散させると、配管材料や施工で費用負担も大きくなります。
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどは、できるだけ近い場所でまとめることがポイントです。

さらに、装備が充実したハイグレードな水廻りが必要でなければ、思い切って施主支給としても良いです。
特にハウスメーカーの水廻りは、高級品で固めているケースが多いので、自分で安い商品を選定して購入し、工事だけをお任せするという選択も費用削減に貢献します。

水廻りは入居後もリフォームの必要性が発生する可能性が高いですし、そのタイミングで少々、贅沢をする楽しみもありますので、初期投資はガマンということも検討の価値はあります。

また、2階建ての住宅であっても、トイレは1階のみという考え方もありです。

窓やドアを減らす

窓については外観の部分で言及しましたが、室内ドアも無暗に配置すれば良いというものではありません。

ただし、ドアの役目は部屋の入り口というだけでなく、

  • 遮音
  • プライバシーの確保や視界をさえぎる
  • 熱や温度の調整

という役目もありますので、減らしすぎは快適性を失うこともあるので、建築士やプランナーに相談しつつ最適な数を配置します。

造作家具を無くす

電話台、家事スペース、リビングや洗面台の壁収納、キッチン一体型ダイニングカウンター(テーブル)、食器棚、ローボードなど、ちょっと便利でおしゃれな造作家具は、見映えが良いですし、実際に使えそうではあります。

しかし長い目で見ると、用途が固定化されるため、特に要望しない限りは、市販品で代用する前提で考えても良いです。

例えば、魅せる(見せる)収納であるオープン棚は、来客への強烈なアピールにはなりますが、どうしてもホコリを被るのでこまめな清掃が欠かせません。
さらに長い間、同じ食器やアイテムが置かれたままだと、観察力のするどい人は気付きます。

固定電話を置くための造作台も、スマホ全盛の現在では必要性をあまり感じないため、これも市販品を入居後にDIYで壁に一枚の棚を取り付けるなど、いくらでも追加工事は可能です。

造作工事は、機能面だけでなくインテリアの一部でもありますが、無くても構わないと判断したら削除する方向で考えましょう。

資材は普及品から検討

床材、壁紙、断熱材、外壁材、屋根材、サッシに雨どいなど、資材レベルでグレードなどを細かくチェックすることも費用削減手段のひとつです。
時間がかかりますし、専門知識が無い場合は心配かもしれませんが、粘り強く建築士やプランナーさんと相談すると、対応してくれます。

面倒くさそうな対応を見せ始めたら、思い切ってセカンドオピニオン、サードオピニオンも検討しましょう。

相見積もり

前述の「追加工事不要の土地を選ぶ」という項目では、地盤改良工事やインフラ整備について述べました。
インフラ整備や地盤改良工事は、土地の契約を終えて地盤検査の結果次第で実施されるものですが、不動産業者指定の業者による工事をイメージしているのなら、それは思い込みに過ぎません。

不動産業者から紹介を受けることはできますが、必ずしも工事請負契約の必要はなく、相見積もりの上で工事業者を選定してよいのです。

住宅建築の工事以外、例えば、外構工事、植栽工事、エアコン工事、カーテン工事なども相見積もりの上で工事業者を選んでも差支えない場合が多いので、建築士あるいはプランナーへ相談する価値はあります。

注文住宅のコストダウンの方法は補助金の活用や火災保険負担が少ない仕様や登記の自力実施や閑散期の引越し

さらに費用削減するなら

出来ることなら費用削減は、とことんやってみたいという場合において、実行性の高い方法をいくつか紹介します。

補助金の利用

補助金を利用する前提で家づくりを目指します。
減税や優遇制度も含めて適用できるかどうか、チェックすることをおすすめします。

チェックが難しい場合は、建築士やプランナーに相談すると良いです。

火災保険の負担が少ない仕様

住宅を2階建ての木造とするならば、「省令準耐火仕様」にすると、火災保険料が割安な設定になります。
建築士やプランナーには、省令準耐火仕様になっているか確認した上で、保険会社には、どの程度の保険料の違いがあるかを見積もりしてみましょう。

登記を自分で実施

平日に時間の余裕がある場合は、登記を自分でやってみるのも費用削減の方法としては無茶なことではありません。

慣れないことをするわけですが、10万円以上は費用削減効果が期待できるので、自分の時間を使うことができるのならば、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
自力での登記は経験者がネット上に、その方法を公開している記事を見かけるので、検索で情報は得られます。

閑散期に引っ越し

引っ越し代も閑散期と繁忙期では大きく変化します。
閑散期に引っ越しをすることも検討の価値ありです。

注文住宅のコストダウンのポイントは

まとめ

注文住宅は、建売住宅や分譲住宅と比較して設計の自由度が高く、自分の希望する間取りや広さ、建材を使えるメリットがあります。

その反面、常に費用を考慮しなければ、予想以上の出費につながります。

初期の見積もり段階で、予算内に収まらない状況であっても、家づくりを諦めることはありません。

ここで紹介した費用削減の手段を参考にすれば、良い結果が得られる可能性が高まります。